2024年4月25日(木)

WEDGE REPORT

2020年1月15日

 一方、中国が外資であるVWをEV生産でも受け入れる理由は何か。

フォルクスワーゲンの自動車は、中央政府・地方政府、公安などの公用車にも使われてきた
(NURPHOTO/GETTYIMAGES)

 「理由は三つあります。第一にEVを普及させることで、石油依存から脱却するというエネルギー安全保障戦略によるものです。第二に自動車の排ガスがpm2・5の発生の主な原因(中国生態環境省発表)であるためです。第三に、ガソリン車で日米をキャッチアップすることは難しく、日米がまだ持たないEV技術の覇権を握るためです。そのためには外資を誘致して競争を引き起こし、中堅メーカーの技術革新を促進することが必要です」(湯氏)。

 加えて、中国政府は19年6月、外資系電池メーカーの参入障壁だった「ホワイトリスト」を撤廃した。ここで大きく躍進しそうなのが、韓国のLG化学だ。電池技術についても競争を促進することで、中国企業の革新を促そうとしている。

 中国市場を見据えて、打ち手を出し続けるドイツ勢。その大胆な転換と見比べると、日本勢は後れを取っているようだ。しかし、今後、日本の自動車産業が生き残るためには、地理的にも、経済的にも、中国市場と向き合わなければならない。中独連携が進む中、日本勢の巻き返しができるだろうか。

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     プロリーグ化に必要な4本柱 地域密着がクラブ経営の大前提
Part 3      先進事例に学ぶ 「おらが街のチーム」の作り方
Part 4      INTERVIEW 池田純氏(横浜DeNAベイスターズ初代球団社長)
     スポーツで地域活性化 成否を分けるカギとは?
Part 5  岐路に立つ実業団チーム 存続のカギは地域との連携
Part 6  侮れないeスポーツの集客力 街の賑わい作りに貢献

  
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◆Wedge2020年1月号より

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 


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