〝平和的アピールのシーン〟を作りたくない北朝鮮
「北朝鮮側は文大統領がスポーツと政治を一緒くたにし、融和政策を浸透させて南北統一に向かおうとする手法に猛反発している。特にそれを韓国主導で成し遂げようと旗を振り、自らの人気取りの材料にするつもりであることも見透かしている。
E―1選手権、そして次のアジア最終予選の開催国は2大会ともに韓国。北朝鮮としては参加すれば南北対決に焦点が当たり、衆人環視の前で試合終了後に南北の両チームがシェイクハンドする〝平和的アピールのシーン〟を作りたくないのです。そんな流れになってしまっては、すべて韓国・文政権の思惑に飲み込まれてしまう。
しかし、そうかといって今年10月に平壌で行われた2022年FIFAワールドカップ(W杯)・アジア2次予選グループHの男子サッカー・北朝鮮対韓国戦の時のように無観客試合、テレビ中継なし、海外メディアのシャットアウトという情報統制は2大会とも韓国国内で行われる試合である以上、コントロールできない。
逆にその平壌の試合と同じく丁々発止の内容となったら北朝鮮は批判され、ますます孤立を招く要因につながってしまう。どう転んでも得はない。つまりは『韓国なんかでお前たちの思い通りの試合などやらない』という文政権に対する北朝鮮側の絶縁メッセージとも解釈できます」