From LA

2020年1月8日

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 例えば車に乗り込み、手のひらをセンターコンソール部分に置くことで車がドライバーを認識し、始動する。人馬一体のような、車に溶け込んで共に移動する感覚を提供する、しかも車のデザインそのものも後部に魚のエラのように開く小さな窓がたくさん設置されており、無機物というよりも有機物のようなイメージのデザインだ。つまり車が人のアバターになる、という考え方である。

 アバターが選ばれたのは美しい自然の大地に暮らす人々、という壮大な世界観が背景にあるためだ。美しい自然を守るための車、というコンセプトに合致するためだろう。

 基調演説の最後には、アバターの監督であるジェームズ・キャメロン氏も登場し、監督自身が現在サステナビリティに高い関心を持っている、一方で車も好きであり、AVTRはまさに理想の車だ、と語った。次回作となるアバター2のイメージ映像も披露され、華やかな締めくくりとなった。

 基調演説が始まる前、会場の上空を人工の蝶が飛ぶ、という演出があったのだが、アバター2のイメージの中で前回の主人公の2人がこの蝶のような生物に乗って移動、というシーンがあり、粋な伏線の張り方だったことも楽しい演出になっていた。

 AVTRはあくまでコンセプトであり、実現するのかは分からないが、メルセデスの目指す方向性を明らかにした、という意味で象徴的な車と言えるだろう。

  
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