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2019年12月26日

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 昨年のロサンゼルスオートショーでR1Tというピックアップ、R1SというSUV2つのEVモデルを発表し、話題となったEVスタートアップメーカー、Rivian(リビアン)社。多くのEVスタートアップがカリフォルニアに拠点を置くのに対し、Rivianは自動車の都デトロイトに近いミシガン州プリマスに本社を置いている。

ピックアップ「R1T」
SUV「R1S」

 他のいくつかのEVメーカーのように中国資本に頼らず、アマゾンが多額の投資を行っていることでも知られている。そのRivianに投資ファンドT.Rowe Priceなどが合計15億ドルの投資を行ったことが12月に入って明らかにされた。それ以前にも他のファンドなどから22億ドルの投資を受けており、Rivian社の時価総額は50−70億ドルに達した、と言われる。EVスタートアップとしてはテスラに次ぐ位置につけた、と言っても過言ではない。

 興味深いのは、フォード・モータースが同社に対し5億ドルの投資を行っていることだ。Rivianに対してはフォードよりもライバルGMが興味を持っている、と言われていた。GMは来年にもテスラが発表したEVピックアップ、「サイバートラック」に対抗するピックアップを発表する、としており、Rivianの技術を高く評価していた。

 ところが関係者らの話によると、GMはRivianに投資というよりも買収に近い交渉を行っていた、という。GMがRivian社の持つ技術の占有権を得る、などが条件で、Rivianにとっては自社ブランドを守るためにGMからの投資を断る必要があった。そこに登場したのがフォードで、フォードが提示した条件はRivianが自社ブランド、独自のディーラー網などを持つ権利を認める、またRivian社が他の自動車関連技術企業と提携する自由も認める、という投資ファンドが提示するのに近い条件だった、という。

 ではフォードにとって投資の旨味はどこにあるのか。RivianのEVは「スケートボード」と呼ばれる共通のベースを持つ。車のプラットホーム部分にバッテリー、モーターなどEVのキーコンポーネントを埋め込んだもので、このスケートボードの上にボディを被せる形のデザインだ。これにより車の重心が低く保たれ、スペースにゆとりが出て、デザインの自由性が確保できる。Rivianの車はフロント部分の収納、またピックアップでは運転席とトラックベッドの間にも収納、というユニークなデザインだが、これはスケートボードにより実現している。

 

 一方のフォードは乗用車に関してはマスタングなど2、3の人気車種を除いてはすべてEVに移行するという方針を打ち出しており、今年のロサンゼルスオートショーでは「マスタングベース」のSUV、マッハEを発表した。

マッハE

 しかし今後多くのEVモデルを発表し、しかもその継続走行距離を200マイルレベルにするために、Rivian社のスケートボードを利用していく考えだという。スケートボードはスケーラブルで、小型から中型まで様々な車種に対応できる。投資の見返りとしてスケートボード技術を手に入れることが出来れば、効果は十二分にある。

 また、フォードは2021年に発売予定のリンカーンSUVにRivianのプラットホームを使うのでは、と言われている。

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