2022年12月9日(金)

家電口論

2020年1月26日

»著者プロフィール
著者
閉じる

多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

1961年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了。大手メーカーにて商品開発・企画を担当後、独立。現在、商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。

ファミリーイナダの強み

 2つめのポイントは、もちろんAIアプリです。しかしなぜ、ファミリーイナダは、このようなアプリを開発できたのでしょうか? それは、メーカーとして「広い視野で人の幸福を考えている」からです。別の言い方をすると「自社製品(含コンテンツ)で、喜んだり、感動したりして欲しい」という当たり前の考え方です。

 いきなり大上段に振りかぶった回答ですが、今までのファミリーイナダのやってきたことを振り返ると得心が行きます。

 ファミリーイナダは、老舗のマッサージチェア専業メーカーです。マッサージというと疲れた時することが一番多いですが、その逆もまた真なりで実は「ケガの予防」にも使えるのです。準備体操、動的ストレッチの代わりに使うことができるのです。特に日頃運動しない人は、体の動かし方を忘れていますので、いきなり昔の通りに体を動かそうとします。これはもっての外。

 例えば、静的ストレッチで理想のフォームに近づけて行くと、負荷が大きすぎ、運動する前に筋肉、腱をいためてしまいます。そんな時に、マッサージチェアのストレッチを利用するのは大いにありなのです。

 そんな考えを持つファミリーイナダが、2年前に発表したのが、「ルミナスロボ PN10000」。モビルスーツのコックピットかと見間違えるようなマッサージチェアです。売りは「AIの採用」と「健康管理」。予め、年齢、身長、体重などパーソナルデーター登録が必要ですが、個人個人の身体に合わせてマッサージを行うAIハイブリッドメカの威力は実に大したモノです。マッサージチェアでは特にモミにくい腕なども、すごく気持ちがいい。確かに他のモデルよりワンランク上の格を感じさせます。

 それに加えて、生活の中で健康により沿う家電という矜持を示した「健康管理システム」もポイントが高いです。こちらはクラウド上のシステムです。体重、血圧、運動量などをインプットすることにより、管理栄養士からアドバイスなどがもらえます。本人だけでなく、家族全員でできるところがポイント高いです。これも中々追求できないところです。

 人の体は「バランス」が重要です。「運動」「栄養」「休養」。これまで専業にしてきたマッサージチェアは「休養」の1つの要素にしか過ぎません。ファミリーイナダもそれは十二分に承知していて、より生活の役に立つためには、別の観点(運動、栄養)を取り入れる必要があります。そうしてできた「ルミナスロボ」。それより、もっとユーザーに寄り添えるように、「ファッション」と「テレビ」も。それが「AIミラー」と言うわけです。マッサージチェアとAIミラー。形は全く違いますが、同じ考え方で作られた製品なのです。

新着記事

»もっと見る