米国の「特別なパートナー」である英国のキャメロン首相夫妻が3月に米国を訪れた際には、オバマ大統領はキャメロン首相とは首脳会談のほか、大統領専用機で共にオハイオに赴き、バスケットボールを観戦、加えてホワイトハウスで晩餐会も主催している。この晩餐会にはジョージ・クルーニーをはじめとする有名人が出席し、事後のワシントン・ポストの社交欄である「Style」欄の1面は「イギリス人が来た!イギリス人のためならジョージ・クルーニーだって連れてくるさ!」という書き出しの記事が占めていたのが印象に残っている。ところが、今回、野田総理がオバマ大統領と会うのは会談時のみで、総理の夕食会はクリントン国務長官が主催するという。
極東の地政学的に見れば、日本は米国にとって重要な国であり続ける。従って、「日本国総理大臣」との会談はアメリカ大統領にとっても重要なものだ。しかし、そのことと2006年以降、総理がほぼ毎年交代する状況の下で、今、総理大臣の職にある「野田佳彦」という人物とオバマ大統領が十分な時間を過ごして個人的な関係を構築しようと思うかは別問題だ。今回の野田総理の訪米ではそのことを強く感じた。
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