使えない上司・使えない部下

2020年1月29日

»著者プロフィール

唯一無比の存在でありたい

舟迫鈴さん

 2008年のリーマン・ショックで日本法人も経営破たんとなりました。私は、ある意味でチャンスと思ったのです。履歴書を汚すことなく、海外留学をして、英語を勉強できると考えました。自分ができないことをできるだけ克服したいという思いが子どもの頃から強いのです。それで、イギリスのオックスフォード大学に1年間留学(British and European Studies)しました。大学1年時に1カ月間の短期留学をしたのがイギリスでしたから、愛着がありました。

 その1年間は、現在に至るまでの人生で最もツライものになりました。渡航費や学費(約250万円)、生活費を全額、自分で負担しましたから、手元にあまり残っていなかったのです。500円使うのも緊張しました。バスを乗らずに、よく歩きました。大量のレポートに追われ、人生の中で、いちばんたくさんの勉強をしました。

 帰国後、2010年に香水の製造販売をするベンチャー企業(社員数約100人)に就職しました。就活イベントに参加した時、この会社のブースだけが光って見えたのです。面接試験で社員たちと話すと、自分よりも優秀で、頭のいい人に感じました。ピンとくるものがあり、一緒に仕事をしたいと思うようになったのです。振り返ると、新卒の就活では見栄やプライドでリーマンを選んでいたように感じます。あれでよかったのかな、と疑問に思っていた頃でもあるのです。この時期に、キャリアをガラッと変えてみようと思いました。

 女性の上司は、めちゃくちゃに仕事ができました。多くのタスクを同時並行にしますが、錯綜しないのです。意思決定が迅速で、いつも適切で、恰好よかった。私は、ずっとベンチマーキングをしていました。論理で詰めていくタイプで、自分と似ている気もしていました。やはり、相性がよくて、好きな方を「使える上司」と思うようになりますね。

 3年強勤務した後、退職し、世界1周(34カ国訪問)をしました。バックパッカーとして9カ月間かけて旅したのです。帰国後、前職(香水の製造販売をするベンチャー企業)からお誘いを受けましたが、2015年に現在の会社(RELATIONS)を選びました。ITやテクノロジーの知識を身に着けたいと以前から思っていたこともありますが、社長を始め、社員たちに惹かれるものがありました。入社前に社員たちが集う懇親の場に参加させていただいた時に、組織のヒエラルキーを感じなかったのです。ベンチャー企業は「フラットな社風」とアピールしますが、必ずしもそのような会社ばかりではないように思います。こういう職場で働くと、私の意識の中でパラダイムシフト(劇的な変化)が起きるように考えました。

 現在、5年目となりました。私は、唯一無比の存在でありたいと思っています。リーマンの頃は、自分の“代え”がたくさんいるように感じました。きっと私がいなくとも、よかったのでしょうね。自分でしかできないことをしていきたい。これを今後も、ずーっと探すのだろうなと思います。唯一無比の存在になるためにも、人のことを「使える、使えない」と口にする以前に、自分に矢印を向けて、自分が「使える」と多くの人に思ってもらえるように生きていきたいですね。会社や上司、時代、法律のせいにするよりも、自らと向かい合いたい。そのほうが、自分の成長につながると思っています。

RELATIONS(https://www.relationsgroup.co.jp/

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る