2024年12月12日(木)

前向きに読み解く経済の裏側

2020年2月28日

景気対策は短期間で集中的に

 もちろん、景気対策も必要ですが、これも通常の景気後退時と異なり、短期間に集中的に行う必要があります。金融政策は、そもそも即効性が乏しいですし、これ以上緩和しても効果は薄いでしょう。

 公共投資というが景気対策の定番ですが、建設労働者が不足している時に多額の公共投資予算を計上しても効果は薄いでしょうし、そもそも今次不況で最も困っているセクターに恩恵が行き渡りにくいでしょう。

 そうであれば、庶民の所得税を大幅に減税する、という選択肢を検討すべきです。「新型肺炎の収束宣言が出るまで、庶民は所得税を払わなくて良い。企業はサラリーマンの給与から所得税の源泉徴収をしないで良い」といった所でいかがでしょうか。

 観光地や居酒屋等々への短期的な恩恵はわずかかもしれませんが、景気の下支え効果は見込まれますし、サラリーマンの懐が暖かくなれば、収束宣言後に飲み会や行楽に行く回数が増えることも期待できますから。

消費税率引き下げは今回は不適切

 「消費増税により景気が後退したのだから、景気対策として消費税を減税すべきだ」という論者も見かけますが、賛成しかねます。

 「消費税率を引き下げて、そのまま維持する」ということだと、景気刺激効果が細く長く続くことになります。

 一方で、景気の落ち込みは短期間で急激なものとなるでしょうから、景気対策も太くて短い短期集中型が望ましいわけです。

 選択肢としては、「消費税をゼロにして、新型肺炎が収束したら税率を元に戻す」ということも理論的には考えられますが、そんなことをしたら猛烈な買い控えと買い急ぎが発生して景気がメチャクチャになってしまいますから、絶対避けたいです(笑)。

  
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