前向きに読み解く経済の裏側

2020年3月2日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

「損切りルール」が「泣きたい売り」を招く

 機関投資家の中には「損切り」というルールを定めている所が多数あります。「一定額以上の損を出した担当者は、持っている株を全部売って休暇を取り、頭を冷やせ」というルールです。

 損失が無限に拡大するリスクを防ぐ、ということもあるでしょうが、「損が増えてくると頭に血がのぼって冷静な判断ができなくなる」のを恐れているということもあるでしょう。

 いずれにしても担当者は、「値下がりして買い時が来たから、大量に買い増して損を取り返したい」という時に、泣く泣く売り注文を出さされるわけです。

初心者が狼狽して投げ売りする

 投資の初心者は、「株価が時として不可解な動きをする」ということに慣れていないので、「小さな出来事で株価が暴落している。何か私の知らないことが起きていて、この世の終わりが来るのかもしれない」などと考えて狼狽売りをしてしまうことが多いようです。

 短期売買をしている人々が狼狽売りをするのは理解できますが、積立投資をしている人の中にも積立を止めてしまったり解約してしまう人が少なくないようです。これはもったいないことです。

 積立投資が重要なのは、「初心者が相場観で売買すると間違えるので、あえて相場観を捨てて毎月一定額だけ購入すると決める」ことなのに、相場観から積立を中止してしまうのでは、意味がありませんから(笑)。

投機家が先回りして売っておく

 株価が暴落すると、上記のような売り注文が出てくる場合が多いので、それを知っている投機家たちが、先回りして株を売っておく場合があります。最初に暴落した段階で株を売り、上記のような売りが出て株価がさらに下がった所で買い戻せば、儲けることができますから。

 実際には、株を持っていなくても「先物を売る」といったこともできるわけです。個人投資家が「信用売り」をするのと同じようなものですね。

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