Wedge REPORT

2020年3月16日

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7月24日に東京の新国立競技場で〝勝利の開幕宣言〟をする

 ただ逆に言わせてもらえば、この人物は自身の用いた「シミュレート」を新型コロナウイルスの終息宣言が出されぬまま東京五輪を通常開催で強行した際、一体どれぐらいの危険を生み出す可能性があるのかについて全くしていない。最も肝心なところに目をつぶり、大会の通常開催ができない場合のデメリットばかりを繰り返していた。そしてこの人物は今後の見通しについても次のように述べている。

 「まだ開催まで4カ月ある。日本政府の自粛要請が功を奏し、そして世界各国も知恵を振り絞って未曽有の危機を乗り越えられると信じていますよ。今、日本全体、いや世界中がウイルスとの戦いに臨んでいる最中。これを乗り越えて必ず勝って7月24日に東京の新国立競技場で〝勝利の開幕宣言〟をする。それが私たちの夢なんですよ。何とか実現したい…いや、必ずさせる!」

 気合や根性論だけでは、新型コロナウイルスを完全に封じ込めることなど限りなく困難だ。大衆受けする意味でも便利な言葉だったはずの「アスリートファースト」が、この人物から一切聞かれなかったのも気にかかった。通常開催へ暗雲が垂れ込める東京五輪は世論を無視する開催強硬派たちによって、おかしな空気に包まれているのは残念ながら事実のようだ。

  
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