大東亜戦争中、タイは米英に対して宣戦布告しながら、大東亜会議にはピブン首相は出席しませんでした。また、チャチャイ政権の時は、中国の南沙群島進出に際して、日タイ共同海軍演習でこれに対抗することを主張しながら、日本が集団的自衛権を行使できず、動かないと見ると、対中接近を始めました。柔軟に態度を変えながら、その変えた方向にも深くコミットしないで、行動の自由を留保するのがタイ外交の特徴です。確かに、インラック政権の背後にいるタクシンは中国に対して好意的だとして知られていますが、彼も中国に具体的にコミットする事はあまり無かったようです。
つまり、タイは中国にもある程度以上は深く踏み込まないのではないかと思われます。今回のことも、それほど気にすることはないでしょう。
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