だが、それは少々うがち過ぎというべき見立てで、逆に中国は他国が内政に干渉することに対して強いアレルギーを示すのが常だ。それは結果がどうであれ同じだ。なかでもアメリカの介入にはより強い反発を示す。
陳光誠事件も同様
アメリカの介入に反発する中国
例えば、薄事件の直後に起きた陳光誠事件でもこの特徴は典型的に表れている。というのも、党中央は陳氏が出国することには本来ほとんどストレスはなかった――地方は違うが――のだが、アメリカの圧力に屈して出したと受け取られることに対しては絶対に許すことができなかったのである。であるから、最終的には出国を許すが、手続きとして一旦はアメリカの手から戻されるという事実が必要だったのである。
こうした点を考えれば、むしろ積極的にアメリカの干渉を呼び込むような行動に出た王の罪が見過ごされるとは考えにくい。そして少しでも早く事件の「収束」と事態の「安定」を強調する意味でもスピード裁判で厳しい判決を下すという選択は十分考えられることだろう。
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