あの挫折の先に

2012年6月11日

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夏目幸明 (なつめ・ゆきあき)

ジャーナリスト

1972年、愛知県生まれ。愛知県立豊橋工業高校から早稲田大学へ進学、卒業後、広告代理店に入社し、その後、雑誌記者へ。小学館『DIME』に『ヒット商品開発秘話 UN・DON・COM.』を、講談社『週刊現代』には、マネジメントの現場を描く『社長の風景』を連載。ほか、明治学院大学講師をつとめ就活生の支援を行う。『資格の学校TAC』では、就活生と一緒にエントリーシートを書き、面接練習を行う講座を持つ。
執筆記事:「社長の風景」(現代ビジネス)、「火力発電所奮闘記」(『VOICE』)、「ビジネスの筋トレ」(『フレッシャーズ』)、「就職活動セミナー」(『資格の学校TAC』)

 信頼されるようになると、次々、新しい仕事を任されるようになった。そのひとつが『長寿命化コンクリート EIEN』の研究だった。古代ローマや中国の遺跡から発掘されたコンクリートの中に、いまだ、強度を保っていたものがあった。調べるとコンクリートは“炭酸化”という反応でさらに硬くなることがわかった。この知見をもとに長期耐久性を持ったコンクリートを作ったのだ。

『スイコム』も『エイエン』も、見た目は一般的なコンクリートと変わらない。従来のコンクリートと同様の使い方ができるよう考えられている。
(※写真はCO2-SUICOM)

 さらに、コンクリートにCO2を入れて硬くできるなら、大量のCO2を吸収し、そのまま固定してしまう、環境によいコンクリートは作れないか? こうして『CO2-SUICOM』の研究が始まり、取違は今、既に実用化を終え、さらなるコストダウンに向けての研究を開始している。

 「どれも“無理です”と言わない精神が活きたんです。研究って、はじめる前はまだ理屈しかなかったり、非常に高価になることが予想されるなど、むしろ“無理”と思ってしまうものばかりなんです。でも、私はむしろ“世界で初めてのものを作るんだ”というワクワク感を持っています。無理です、は人生の敵ですよ。むしろ、一度達成感を味わうと、高い目標を与えられるほど“なら、どうすれば達成できるか”と前向きになれるんですよ」

 若い頃の辛さ、それは、将来の挑戦に結びついているのだ。

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