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2020年5月8日

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受け取れない人が120万人

 その一方で、普通なら受け取る資格を持つべきなのに受け取れない人が全国で120万人程度いる、という。その多くがメキシコ、中南米からの移民だ。ただし不法移民ではない。正規の手続きを踏んだ移民だ。なぜ彼らが小切手を受け取れないか、というと納税手続きをソーシャルセキュリティ番号ではなく、個人納税番号で行っているためだ。

 ソーシャルセキュリティ(社会保障)番号は日本のマイナンバーのようなもので、国民背番号制度、納税から各種手続きに必要とされるものだ。例えば車の免許を受け取る際にも必要となる。米国民ならば生まれた時点で交付されるが、移民の場合「米国内で就業可能なビザ」があれば支給される。筆者の場合も渡米後すぐに申請してソーシャルセキュリティ番号を所持しているため、今回の支給対象となった。

 ところが結婚などの理由で米国に移民してきた人の一部、あるいは元々が不法移民で米国人との結婚により永住権を申請する人々の中には、ソーシャルセキュリティを交付されずかわりに納税番号により様々な手続きを行う人々がいる。永住権あるいは市民権を得た時点でソーシャルセキュリティに切り替えることができるが、それまでの申請期間は納税番号しか与えられないのだという。

 例えばテキサスに住むラテン系住民の女性は「うちは夫婦と子供2人の家庭で、本来3400ドル(夫婦で2400ドル、プラス子供1人につき500ドル)受け取れるはずなのに、夫が納税番号で納税する移民のため小切手が送付されてこない」と訴えている。夫はメキシコ出身で、まだ正式に米国民になっていない。しかし妻と子供は米国籍だ。一家の筆頭が夫で、全員が夫の扶養下にあるため、交付の対象外になっている。こうした家庭が全国に120万人と言われているのだ。

 一方で筆者や筆者の周囲の人々のように、特に生活に困っていない人々にも一律でこの金額は支給されている。先日友人宅で小さな集まりがあり、この小切手についての話題になった。その用途として、

1、全く現金化しない。つまり辞退する。

2、現金化した上で慈善団体に寄付する。

3、現金化した上で小切手の本来の目的(経済刺激策)に応じ、パッと使い切る。

 という3つの案が出た。多分1を選ぶような気がするが、どうするべきかまだ思案中である。

  
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