5月1日、ちょっとした驚きがあった。米政府が全国民(条件付き)に配布を約束した、「経済刺激のための助成金」1200ドルの小切手が郵送で届いた。これを受け取るための条件としては2018、19の両年に米国で確定申告を行っていること、個人の年収が7万5000ドルを超えないことなど。
ただし筆者の場合は永住権を持たないため、受け取れるのかどうか自分でも分からなかった。また、今年、つまり2019年度分の確定申告は例年4月15日が締め切りだが、今年は6月15日まで延長されたため、筆者が確定申告を行ったのは4月17日。IRS(米国税庁)によると申告が遅れた人には小切手配布も遅れる、という記述があった。
通常の確定申告で納税手続きを銀行振り込みにより行っている人に対しては、4月17日の時点で多くが振り込みの形で既に受け取っている、という報道があった。筆者も銀行振込で納税しているが、遅かったためか今回は小切手で郵送されてきた。それにしても17日に確定申告、それから2週間で小切手が手元に届いたので、非常に迅速な対応と言える。申請した人だけに10万円、しかもその申請時期すら自治体によりまちまち、というどこかの国とは大違いである。
ただ、こうした一律支給は正解なのか。今回のコロナ禍で失業した人には失業保険が支払われ、そもそも失業していない人もいる。個人事業主など、自営ビジネスを閉鎖せざるを得なくなった法人に対しては、自治体にもよるがカリフォルニアの場合最大1万ドルの無利息支援もある。本当に困っている人、例えば不正規労働で収入が完全に途絶えた、あるいはパートでシフトが大幅に減った、という人には有り難いかもしれないが、「なぜ自分がこのような金額を受け取る必要があるのか」と考える人も多い。