授乳は中止。小児への投与経験もなし
【使用上の注意】の欄を一読すると色々なことがわかります。
痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者は、血中尿酸値が上昇し、症状が悪化するおそれがあるので禁忌。
ピラジナミド、レパグリニド、テオフィリン、ファムシクロビル、の薬との併用は注意。
など。さらに、【4.副作用】の欄には「重大な副作用」が列挙されていますが、その後の以下の項目も重要です。
【6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔動物実験において、臨床曝露量と同程度又は下回る用量で初期胚の致死(ラット)及び催奇形性(サル、マウス、ラット及びウサギ)が認められている〕
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。〔本剤の主代謝物である水酸化体がヒト母乳中へ移行することが認められている〕
母乳にも影響を与えるので、授乳は中止です。
【7.小児等への投与】
小児等に対する投与経験はない。〔動物実験において、幼若イヌ[ 8 週齢]に 1 カ月間投与した試験 では、若齢イヌ[ 7 ~ 8 カ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められている。幼若動物(ラット[ 6 日齢]及びイヌ[ 8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維の萎縮及び空胞化、心乳頭筋の変性/壊死及び鉱質沈着などが認められている〕
胎児だけでなく、幼児や小児への毒性や悪影響の可能性もありそうです。
インフルエンザへの有効性は示されなかった
添付文書の最後の方には、【参考:国際共同第Ⅲ相試験(成人)】という欄があり、以下のような記載があります。
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象として、オセルタミビルリン酸塩を対照とした国際共同第Ⅲ相試験を実施した。(中略)本剤の有効性は示されなかった。
「第Ⅲ相試験」というのは、最も信頼できる臨床試験方法であり、「オセルタミビルリン酸塩」は、タミフルなどの既存の抗インフルエンザウィルス薬のことです。つまり、インフルエンザ治療薬として開発されたが、臨床試験の結果、既存の薬と比較して有効性は示されなかった、ということです。
それではなぜ、この薬が承認されたのでしょうか。