新型コロナウイルスとの闘いで人々の活動が厳しく制限される未曾有の事態となっているが、この混乱に乗じたサイバー攻撃が激増している。セキュリティー企業などによれば、今年3月には世界のサイバー攻撃の痕跡がそれまでの600%以上も増加しているという(『サイバーウイルスも感染拡大、急増するテレワークに潜む死角』)。
またつい最近、
今回の日本に対する攻撃では、
このように、日々新たなサイバー犯罪の脅威が生まれる中、
「壁」では防げない
高まる自衛措置の重要性
日本中で日々繰り広げられるサイバー攻撃。金銭目的のサイバー犯罪だけでなく、ライバル企業の知的財産を盗もうとする攻撃から、国家型サイバー攻撃で重要インフラや大手企業、日本を支える中小企業の貶めようとする攻撃まで行われている。
今、個人や企業は、アンチウイルスソフトを導入したり、攻撃情報をアクティブに調べる脅威インテリジェンスなど様々な対策を行っている。だが省庁のように多層にセキュリティーを敷いていても、サイバーセキュリティーには100%安全というものはない。攻撃者が圧倒的に有利な世界であり、攻撃者はテクノロジーを磨き、次々に新たな手法で攻撃を成功させている。
攻撃も進化しているサイバー攻撃対策は、新たな次元に進化する必要がある。サイバー攻撃は、これから急速に増加し、複雑化することが予想される。しかし、それに対する防御はまだ初歩的なままだ。ほとんどの場合、サイバーセキュリティー対策は強固な壁を作って、悪意のある攻撃者やウイルス、プログラムをはじくことに重きが置かれている。だが現実を見れば、こうした防御は、攻撃者がその壁を飛び越える方法を見つけてしまえば、それで一巻の終わりだ。
ただそれを黙ってみているわけにはいかない。企業などは自分たちの使うシステムとネットワーク、環境、データの耐性を強め、自衛措置を取れるように行動を積極的に起こさなければならない。さもないと、これからの時代を生き抜くのは容易ではないだろう。