Wedge REPORT

2020年6月28日

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「下沈市場」と呼ばれる地方が最前線に

 なお、中国の家電市場を牽引する存在が「下沈市場」だ。これは、地方都市の中でも三線都市以下を指す。北京、上海、広州、杭州、成都、武漢といった日本でもなじみのある巨大都市が一、二線都市。三線都市となると、ふつうの日本人には一気に馴染みが薄くなる。河北省の保定や唐山、河南省の洛陽、陝西省の咸陽など。さらに四線、五線、六線都市といった片田舎の都市、果ては農村まで含む。

 下沈市場の特徴は、経済力を付けつつあり、ビジネスの条件が日進月歩で改善されていて、巨大な購買力を獲得しつつあること。全国に散在し、広くカバーするにはコストがかさむのが難点だ。

 先の研究院が発表した「2019年中国家電市場報告」によると、19年、京東の家電の新たなユーザーの3分の1が四線、五線、六線都市から来ている。京東はオフラインの拡充を宣言していて、三線、四線都市への展開に注力し、農村市場まで攻め込むとしている。地方になるほど、電気屋は個人経営が多く、大手による開拓の余地がある。

 国美でも、県に置く店舗の販売額が18年の4.06%から19年に7.07%まで伸びた。なお、中国では市の方が県より上級の行政単位で、県はかなりの田舎である。国美は店舗網を全国に張り巡らしており、県の店舗は1000を超える。「下沈市場」の飛躍は、国美にとってチャンスといえるだろう。ただ、ここでもかつてのライバル蘇寧が健闘しており、道は平坦ではない。

 12年の収監を経て、仮釈放されたというニュースだけで株価を暴騰させた黄光裕。かつての若き大富豪の面目躍如となるだろうか。

  
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