2022年12月8日(木)

Wedge REPORT

2020年7月6日

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手強い人

 「まさかの『大会中止』をチラつかせてくるのではないかとニラんでいる関係者も、大会組織委員会の中には多数いる。我々の多くが小池さんを支持したのは、あくまでも他の候補者では来夏の大会開催そのものが危うくなりかねないからという〝消去法〟です。とはいえ、我々のトップである森(喜朗)会長と小池さんは過去信頼し合っていた時期もあったが、今は政治的イデオロギーの違いから大きな隙間風が吹いているのは永田町界隈の人間ならば誰もが知るところ。とても一枚岩ではないことは普通に考えて分かると思います。その小池さんが都知事選で訴えていた『簡素化五輪』の実像に関しても、残念なことに非常にあいまいで具体性はほとんどない。だから本当のところ、小池さんが東京五輪を一体どこまで重要視しているのか。我々にもなかなか読み切れないのです」

 さらに、その上で次のようにも警戒心を強めているという。

 「こうした、さまざまな点と線を結び付けると小池さんが、よもやの方針転換に踏み切る流れも考えられなくはない。ましてや新型コロナウイルスの第2波への予兆も懸念されているわけですから、自分からハシゴを外してしまうにしても非難されにくい理由付けは揃っている。何よりもこれまで小池さんは世のすう勢を鑑みながら自身の発した公約の変節も容赦なく敢行し、かつては昵懇だった政界の多くの有力者たちとの関係性も風向きが悪くなるとスパッとドラスティックに切ってきた経緯がある。いろいろな意味で、それが出来てしまう手強い人なので我々としては正直そこが怖いところではありますね」

 小池氏の都知事再選が決まっても、日本側は政府や大会組織委員会とともに東京五輪の来夏開催へ向けて大同団結を成したたわけではない。莫大な追加費用に加えて新型コロナウイルスの収束が見込めず、まだまだ国民からの反発も少なくないだけに大会に携わる関係者は多くの解決すべき問題点を抱え込んでいる。そして今後明らかになっていくであろう小池氏の「本心」も来夏開催のキーポイントとなっていきそうだ。

  
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