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2020年7月10日

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カニエ・ウェストの大統領選挙出馬

 現在の米国で話題になっているのは、ミュージシャン、カニエ・ウェストの大統領選挙出馬表明だ。ウェストは元々トランプ支持者だったが、自身がコロナウィルスに感染したことを明らかにし、その経験から「トランプ氏のパンデミック対応には愛想が尽きた」と支持を撤回、自らが立候補する、と宣言した。テスラ社のイーロン・マスク氏がツイッターで「全面的に支援する」とつぶやくなど、注目度は高い。

 しかし実際にウェストが出馬した場合、黒人票を集めやすい、という点で実はバイデン氏に不利に働くという予測もある。民主党支持者の票が割れてしまい、さらに一部のサンダース氏支持層が「バイデン氏を大統領にするくらいならトランプ氏に投票する」という姿勢を崩していないことなどから、却ってトランプ氏の優勢に寄与する可能性もあるのだ。ウェストが当選してしまえばそれはそれで面白い展開ではあるが、現実味は薄い。

 こうなってしまったのも民主共和両党に勢いがありリーダーシップの取れる若手政治家が存在しないためだ。民主党予備選の序盤でインディアナ州サウスベント市長、ブティジェッジ氏が善戦したように、米国人は実は若くて改革の意思を持ち、演説の上手い人が好きだ。民主党がバイデン氏ではなくブティジェッジ氏を統一候補に選んでいれば、全く違った展開になっていたかもしれない。

 ともかくも、この「誰もいなくなる」というとんでも予想が当たれば、もしかすると米国にとっては新しい方向に舵を切るチャンスで、むしろ喜ばしいことかもしれない。

  
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