2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2020年10月12日

周囲は相応の評価を

 もっと分かりやすく言うと、企業所属で今大会のエントリーを果たしていたのは本田姉妹だけである。そういう観点から考察しても多くのメディアが本田姉妹を猛プッシュせざるを得ない理由として、前記したようにさまざまな〝忖度〟を頭に入れなければならない諸事情があることは容易に想像もつくはずだ。バックに大手広告代理店や巨大メディア、スポンサーの利権が複雑に絡んでいることもあって不利な内容は避け、極力ポジティブに報じようとしている流れは、この業界を知っている人ならば大半が分かっている。もちろんフィギュアファンも薄々気づいていることは言わずもがなであろう。

 強調しておきたいが、本田姉妹を「否定」しているわけではない。とにかく周囲は相応の評価をすべきであるということだ。日本女子フィギュア界の発展にもつながらないだろうし、この世界のトップに君臨するロシアの牙城を脅かすことなど夢のまた夢である。参考までに11日の国内ロシア杯第2戦の最終日で逆転優勝を飾った16歳のアレクサンドラ・トルソワはSPで77・5点(3位)、フリーで全体トップの164・82点をマークし、合計240・59点と世界レベルの演技を見せつけている。

 無論、今月2日の近畿日本選手権でジュニアデビューを果たした5人兄妹の末っ子で13歳の本田紗来も然りだ。望結と紗来はオスカープロモーション所属で女優などの芸能活動を両立させ、長妹の真凜も同じく「元オスカータレント」。昨今の過剰な忖度は日本女子フィギュア界の足かせになるだけであることを周囲はいい加減に気づくべきである。

  
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