緩い対応のLA
しかしロサンゼルス空港に到着すると、前回もそうだったがあまりにも緩い対応に驚かされる。一応米国は海外からの渡航者に対し2週間外出を自粛するよう要請はしているが、タクシーも公共交通も乗れるし、空港での検査はおろか検温すらない。筆者はジャーナリストビザを持っているので「大統領選挙の取材?」と聞かれてイエス、と答えると簡単に通してくれた。
そこからライドサービスを利用して自宅に戻ったが、ドライバーに「コロナで仕事が減った?」と聞くと「むしろ忙しい」と言う。空港利用客は減ったが市内での利用は以前とそれほど変わらず、コロナを警戒してライドサービスドライバーを辞める人が多かったため、むしろドライバー1人辺りの収入は増えたのだという。ちなみにこのドライバー氏は選挙には全く興味がなく、投票もしていないのだそうだ。選挙ではライドサービスがドライバーを正規社員とすることを義務付ける法案への可否も問われるのだが、それもどうでもいいのだろうか。
ロサンゼルスは選挙後の暴動に備えてビバリーヒルズやマンハッタンビーチなどの高級商店街がバリケードを張るなど、一部はものものしいが全体としては穏やかだ。これまで特に投票妨害などの目立った行動もないという。
まだ気軽に海外旅行は楽しめないだろう。米国の冬の感染拡大も心配だ。選挙後に暴動が起きればまた感染者が激増することも懸念される。しかし取り敢えずの渡航は果たせたし、帰るなり友人からはゴルフの誘いがあったし、自粛しながら以前通りの生活が出来そうだ。
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