さらに、より高いレベルの証拠を探すことは、より高次の知性を生むだろう。大人の意図を読んでコンクール用の作文を書いている日本の子どもは、アメリカの子どもに敵わなくなる。
もちろん、アメリカの父母の主張の強さと意見の多様性により、安易に主催者の意向を読ませる作文コンクールができないという事情もあるだろう。税は取るな、人々は国家に頼るなと主張するティーパーティの父兄は、学校で税に関する作文コンクールの募集をすることなどを許さないだろう。
日本でも、政府、政府からの補助金が出ている団体が、政府の政治的意図をもった作文コンクールをすることを禁止すべきだ。
ただし、そうでないものまでも止める必要はない。政府が行っているものだが、人権に関する作文は感動的だったと記しておきたい。また、生命保険会社が、生保が必要だというキャンペーンをするのは当然で、税金が投入されていないかぎり、言論の自由の一環である。
「パチンコ・パチスロ」の作文で、「私がパチンコをしない理由」の作文をどう書いたら賞が取れるか、私は、しばらく考えてしまった。実際に賞を取った作文も発表されている。これはご愛嬌というしかない。
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