2022年11月30日(水)

From LA

2021年1月6日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

この規制が商業用建物にも波及した場合、多くの反発が寄せられることは必至

 住宅へのガス供給を禁止する法案が出来た場合、住宅デベロッパーやガスを使用する機器のメーカーから州が提訴される可能性もある。例えば住宅用の暖房として電気を使用しているのは全住宅の2%程度に過ぎない。ガスの方が暖房効果は高く、料金は安い。

 また規制は徐々に新規建設から既存住宅へも進み、オール電化への切り替えが推奨され、やがては全戸へのガス供給が停止することになる。家電の買い替えなどに対し州政府がある程度のインセンティブを行わなければ、このレトロフィットは容易には進まないだろう。

 さらにこの規制が商業用建物にも波及した場合、多くの反発が寄せられることは必至だ。例えば飲食業界で、炒めものをするのにガスでなければ十分な火力が得られない、という意見もあれば、大型商業施設で電気により全館暖房を行うコストの問題もある。

 またインフラ面でも既存のガス管を撤去するのか、その場合費用は誰が持つのか、という問題も浮上するだろう。一部にガスのパイプラインに水素を混入して水素パイプラインとして用いる、という方法が取りざたされているが、その場合はガス輸送がメインとなることが前提だ。水素パイプラインになると材質その他すべて置換する必要がある。

 米国にはシェールガスが存在するため、ガス廃止となれば連邦政府との軋轢が高まる可能性もある。石油ガス業界が全廃となれば経済的なインパクトも増大で、今後のカリフォルニアの動きに他州が追随する可能性もあるため、実現へのプロセスがどのような形を取るのかに注目が集まる。

  
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