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2020年12月2日

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LAで行われる世界最大のゲームショーE3で車載ゲームについて話すイーロン・マスク(19年6月、REUTERS/AFLO)

 今年ついに年間50万台の販売が視野に入り、数年内には年間100万台を売る自動車メーカーになるのでは、と言われているテスラ。7−9月期の総売上高も87億ドル突破で昨年同期比39%増、と絶好調だ。

 そんなテスラが密かに進めているのが独自のゲームコンテンツの提供だ。実はテスラは2018年以降のMCU(メディア・コントロール・ユニット)、ソフトウェアアップデートV9.0の車に対し、無償でゲームソフトを提供している。テスラの車載パネルでプレイが出来るもので、ゲームソフト会社アタリが制作を担当。

 同社CEOイーロン・マスク氏が当時ツイッターで「アタリのクラシックゲームのいくつかがイースターエッグとして登場する。ありがとうアタリ」と呟いた。ちょうどリリース時期が4月のイースター休暇に当たっていたためだ。

 当初のゲームは画面のT(テスラ)マークをスワイプする、などの作業が必要で「Teslatari」の名称だった。しかし昨年のソフトウェアアップデートでは「Toybox」「Arcade」という2つのアイコンが追加され、今年からは実際に利用できるようになっている。

 Toyboxはシンプルなゲームと車内でのジョーク用のもので、特定のシートに座ると音が鳴るデジタルクッションが仕掛けられたり、暖房を入れた時に薪をくべる映像が流れ、薪の爆ぜる音がしたり、と人をなごませる要素がある。

 一方のArcadeはまさにゲームアーケードで、昨年までに14のゲームが用意され、車を停車させているとき、充電時などに利用できる。ゲームの種類は単純なシューティングゲームからレーシングシュミレーター、RPGまで幅広い。

 このゲーミングシステムがどんどんアップグレードしている。最初はゲームコントロールや映像の早送り、巻き戻しなどをタッチスクリーンで行う必要があったが、今年のアップデートでハンドル操作とハンドルのボタンで行うことが出来るようになった。またカリフォルニアで行われた今年の3−5月のロックダウンの間に「Fallout Shelter」という新しいゲームもリリースされた。

 テスラが提供するゲームは車内のモニターをコンソールとして、Xboxやプレイステーションのコントローラーでもワイヤレスのものなら操作できる。しかしレーシングゲームでは実際のテスラカーのハンドルを使うことで、より迫力のあるゲーム体験が可能だ。

 現在のところテスラが提供するゲームは2Dグラフィックで、比較的単純なものが多い。しかしこの先、VRなどを使ったより複雑でグラフィックの進化したものが提供される可能性もある。さらには既存のゲームの焼き直しだけではなく、テスラオリジナルゲームが作られていくことも十分に考えられる。

 これはマイクロソフト、ソニー、任天堂など既存のゲームコンソールメーカーにとって、中々に手強い相手になる可能性がある。例えばテスラコンソールができ、そのゲームをスムーズに車内に移行して楽しめるとすると、そのハードを選ぶ人が現れるかも知れない。

 しかも数年内に年間の販売台数が100万台を突破する勢いのテスラで、このゲーム機能はすべての車に標準装備としてついてくるのだ。もし魅力的なタイトルをリリースすることができれば、テスラコンソールは既存のゲーム機に十分対抗できるものとなる。

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