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2020年11月23日

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19日、ロサンゼルスのプロビデンス・セント・ジョゼフ・メディカルセンターで治療を受ける新型コロナウィルスに感染した患者(REUTERS/AFLO)

 ロサンゼルスを含む南カリフォルニアでは11月20日の夜から10時以降の夜間外出禁止令が発行された。カリフォルニア全土でも夜10時から翌朝5時までの個人的な会合は禁止、ロサンゼルス郡ではこの時間帯が朝6時までとなっている。

 もちろんこの背景にあるのはコロナ感染者の急増だ。11月19日、ロサンゼルス郡の1日の感染者は過去最高の5000人以上を記録、翌20日も4272人、1日の死亡者は35人に達した。もし5日間の平均感染者数が4500人に到達した場合、3月に行われたようなロックダウンが再び起きる可能性がある。

 現在ロサンゼルス郡の検査を受けた人の陽性率は7.3%と非常に高くなっている。郡衛生局では屋外で認められているレストランでの食事を再び禁止し、テイクアウトのみにすることも検討中だという。

 しかしこれが守られているのか、というとそうでもない。金曜日以降も夜10時過ぎに車は走っている。その中にはスーパーや薬局など生活必需品を扱う店に勤務している人もいるのかもしれないが、禁止令を破っている人も相当数いるはずだ。

 禁止令には罰則は定められていない。遵守を人々に要請するのみだ。一方で10時過ぎに営業しているレストラン、バーその他のビジネスに対しては取締りが行われる。個人への罰則が基本的にはないことで、禁止令はそれほど意味を持たないものとなっている。

 しかも禁止令は感謝祭休日の一週間前というタイミングで、すでに州外や州でも遠く離れた場所から家族が集まることが決定している場合もある。州政府は「州外から来る人については2週間の自主隔離」を要請しているが、すでに遅すぎるのだ。

 また生活に必要とされる店については夜10時以降も営業が認められているが、買い物客に外出禁止令を課しながら店の営業は続ける、という矛盾もある。もちろん病院勤務などでその時間帯にしか買い物が出来ない人もいるため、全く意味のないものではないが。

 今回の禁止令はこれまで徐々に認められてきた各種ビジネスの営業再開にそれほど大きく影響はない、と見られている。現在ではショッピングモールも開店しているし、多くのアウトドアスポーツへの制限も解かれている。

 郡のガイドラインでは生活必需品を扱う以外の小売業には最大入場可能な客数の4分の1以下にする、レストラン、バーでは屋外のみの飲食可能だが、その客数も最大可能の半数以下にする、屋外ミニゴルフ、バッティングセンターも半数以下、美容理容などはアポイントメントのみで双方がマスク着用、屋外での集会は15人以下で三家族まで、となっている。

 11月になってからはスーパーなどで入り口に長蛇の列が見られることは滅多になく、ショッピングモールも感謝祭休日直前というのにかなり空いている。営業再開していない店舗もあり、まばらな雰囲気だ。

 一方でテニスコート、ゴルフ場は非常に混み合い予約を取るのが難しい状況になっている。アウトドアでリスクが少ない、ということで人々がこうした施設を利用することが増えている、公立学校が再開されていないので平日でも子供連れでスポーツを楽しむ人がいる、などがその理由だ。

 レストランオーナーからは「屋外のテント設営、ヒーター設置などにかなりの費用がかかった。10時以降は営業禁止ということで収入が減り、スタッフの削減などを余儀なくされるかもしれない」と危機感を訴える声もある。一般ビジネスも「再びロックダウンになれば最早死活問題」という悲鳴を上げている。

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