2024年4月26日(金)

From LA

2020年11月23日

 なぜ車社会で元々人々の間に距離感があるロサンゼルスでこれほど感染が広まるのか。郡は「飲食店などでマスクを外し、大声で会話する人が多い」ことも原因の一つ、としている。しかしロックダウン期間中でも1日の感染者は1000人前後で推移していた。マスクを着用していない人を見かけることは少ないし、日本と比べてこの多さはなぜなのか。

 これまではコロナは一種の社会問題だった。低所得者層の多い地域で感染が集中しており、一方でマスクなしで騒ぐ若者やデモ参加者の感染が目立っていた。しかし筆者の周辺でも最近友人の父親がコロナで亡くなる、などじわじわと身近に迫っていることを感じる。

二度目の全国民への給付金支給を呼びかけ

 ロサンゼルス郡の財政赤字は25億ドルに達した、という。これ以上の感染拡大はなんとしても防ぎたいが、ビジネス閉鎖になるとさらなる経済問題に直面する。国としてはバーニー・サンダース上院議員が二度目の全国民への給付金支給を呼びかけているが、トランプ政権は実施には反対だ。

 筆者は大統領選挙当日、投票所に取材に出かけたが、道路まであふれる長蛇の車の列を見かけ、ドライブスルーで投票が行われているのか、と思った。ところがそれは無料の食料配給を求める人々の列で、投票所そのものはガラガラだった。こうした食料配給の列が以前より頻繁に目につくようになり、人々の生活は長期に渡るコロナ禍で疲弊している、と感じる。もし再びのロックダウンが起これば、今度こそ経済的な理由での暴動が起きるのでは、という懸念も高まっている。

  
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