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2020年11月7日

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 大統領選挙の結果はまだ確定せず、アリゾナなど接戦が報道されている一部地域では、トランプ支持者による投票所前での抗議デモも起こり始めた。トランプ政権はウィスコンシン州などに対し票の数え直しを求めている。

 ところで選挙は大統領だけを選ぶものではなく、上下両院議員の改選や州ごとの住民投票も同時に行われる。そこで、気になる動きがある。

オレゴン州ポートランド(JPLDesigns/gettyimages)

 まず、米国で初めて大麻を合法化したオレゴン州。なんといわゆる「ストリート・ドラッグ」と呼ばれる比較的ポピュラーな麻薬の少量の所持に対しては無罰化する、という法案が賛成多数で可決されたのだ。ストリート・ドラッグにはコカイン、ヘロイン、オキシコンチン、覚醒剤などが含まれる。

 同時に同州ではマジック・マッシュルームなどの呼び名で知られるトリップするキノコも合法となった。このキノコは米国でも多くの州で違法とされている。

 ではなぜドラッグ類の所持が無罰の対象となるのか。理由は「軽犯罪として刑務所に収容するよりも、麻薬に対するリハビリセンターなどに入れて依存症から立ち直らせるべき」という考え方からだ。

 実は米国ではオレゴンだけではなく、このように麻薬を罪として扱うのではなく依存症という病気として矯正治療を行うべき、という考え方が以前から存在した。いくら違法である、と取締を行っても米国の麻薬常用者の数は減らない。捕まえても刑務所から出れば再び麻薬に手を染める可能性が非常に高い。米国の逮捕者の中で年間の数が最も多いのが麻薬所持なのだという。

 ヒューマンライト・ウォッチという人権団体によると、米国では25秒に1人が麻薬所持の容疑で逮捕されている。全逮捕件数の実に9分の1、年間で125万人が逮捕されている。また麻薬所持で逮捕される黒人は白人のおよそ2・5倍だが、麻薬を使用する人の率は黒人と白人でほぼ同じ。そのため麻薬による逮捕は人種差別を助長する、とこの団体では訴えている。

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