2022年12月4日(日)

Wedge REPORT

2021年1月27日

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高すぎるM&A手数料

―― 金融機関は経営者が高齢化した企業をどのように導いたら良いのか。

友田本部長 経営者の多くは高齢になっても、事業継承のことは考えたくない人が多い。金融機関は経営者に対して、事業継承するのか廃業するのかを聞いて、道筋を教えてやらなければならない。それでもダメな場合は仕方ないが、まずはプランを示す必要がある。また廃業した後の生活支援が全くできていないのが現状で、年金しかなくて生活が苦しくなるケースが多い。廃業後の生活プランも明確に示す必要があるのではないか。それがないと安心して廃業もできない。廃業するかどうかはこれまでは企業と金融機関が相談して決めて、取引先には目が向けられていなかった。高齢者向けの廃業プランが後手に回っている。銀行も中小企業を支援はしてきたが、育成することをしてこなかった。5年、10年間育成をしても花開かなければ退散するしかないが、少なくとも育てる努力をしてほしい。

 高齢化が進行する中で、廃業は避けて通れない。金融機関は融資先企業に対して強みと弱みを明確に開示して、ほかの会社に高く売れるようM&A(企業の合併・買収)に持っていく方法もある。

―― 事業継承の一つとしてM&Aが最近注目を集めているが。

友田本部長 M&Aが広がって、事業継承がバラ色のように言われているが、M&Aを仲介する会社は手数料を双方からとる。しかも成約する前に資産査定手続き(デューデリ)などで数千万円も費用が発生するケースがあり、資金力の弱い中小企業にとっては限界がある。成約すると15~20%の手数料を取るところが普通で、この比率は明らかに高すぎる。中小企業は月商売上の2割ほどしかキャッシュを持っていない。それをいまはコロナで使い果たしているので、従来のM&Aでは手数料は払えない状況だ。このまま光る技術力のある中小企業が消えていくのはもったいない。金融機関や商工会議所などをもっと活用した政府のM&A支援も必要だ。

―― 「企業城下町」的な地域の場合は、企業が休廃業してしまうと地域に与えるダメージも大きくなるのではないか。

友田本部長 その通りだ。地域の雇用、自治体の税収などにも大きく響いてくる。このため生産、経営効率が悪いからと言って簡単に廃業の引導を渡してほしくない。地域に根付いた企業はできることなら残してほしいので、金融機関も最大限努力してほしい。それでも再生できない場合、廃業も選択肢の一つになるだろう。

  
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