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2020年12月29日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 「コロナ禍のマンション販売」シリーズの2回目は、最大手マンションディベロッパーの住友不動産住宅事業本部の遠藤毅営業部長に、コロナ禍の中での販売状況と今後の見通しについて聞いた。

(IconicBestiary/gettyimages)

Q 目先コロナの感染拡大が続いている中でのマンション販売への影響はどうか。

遠藤部長 4、5月はコロナ禍の影響で営業を自粛したため販売は低調となったが、7月以降、その反動から販売が急回復した。その後も順調に販売が進捗しており自粛期間分は取り戻した。全体的には需要は強いが、11月以降感染拡大が続いており、来場者の数が札幌、大阪、仙台あたりでは影響を受けて少し減ってはいるが、首都圏では減っていない。今後、首都圏においても感染状況が顧客マインドにどう影響するかは注視していきたい。

Q マンション販売の現場ではコロナ対応はどうしているか。

遠藤部長 6月から開始したオンライン見学会への参加者が増えている。8~9割は自分の目で確認するため1度は来場するが、2回目以降はオンラインでチェックや打合せするケースなどがある。また、日本への渡航が困難な外国人投資家の中には、オンラインだけで物件を見ずに購入を決めるケースもある。日本の感染者数が他国と比較して少ないこともあって、海外から日本の不動産に対する評価が高まっている。

 オンライン見学会に限らず、契約手続きでも「非対面対応」を進めている。例えば、申し込み手続きのオンライン化や、パソコンなどを使った重要事項説明を要望に応じてしている。不動産取引は「対面」や「書類」が必要と思っていたが、コロナ禍で先入観を捨てて一から見直した。常に顧客第一で販売手法を進化させていきたい。

Q コロナ禍にもかかわらず、都心のマンション人気は根強いようだが。

遠藤部長 マンション価格については、当面供給が著しく増える見込みは少ないので、エリアによって価格動向は異なるが、来年以降も強含みで推移していくのではないか。

 首都圏では都心のニーズが高まりそうだ。コロナの影響で通勤時間を短縮するため都心に移る人も多い。またテレワークで在宅時間が増えたことから、都心の中でより広めの住宅を求める傾向が出てきた。例えば2LDKに住んでいるが、将来的にはより広い3LDKに買い替えたいというニーズが顕在化してきている。

 東京・有明で販売中のタワーマンションが3棟並んでいる「シティタワー東京ベイ」(全部で1539戸)は、隣接する大規模ショッピングセンターがオープンしたこともあり、計画を上回る順調な販売になっている。人気のあるタワマンは、来年以降も計画通り作る予定で、再開発案件である東池袋、板橋大山、月島などで建設する。

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