「大事なひとと20年も過ごした暮らしを奪われても……」
相手は、草刈が誰であるかを悟る。そして、深々と詫びの礼をする。
「もう行ってください」
草刈がそういった瞬間、カメラは、ふたりの足元をクローズアップする。編集長は派手なヒールである。草刈は掃除婦であるから、仕事用の底の低い靴である。
この出来事があって、草刈は、瀬戸に手紙を書く。「女の人生は、やり直せますか?」と。やり直せる、という返事を期待して。
瀬戸は書く。「やり直せない」と。そして、「そこから出発することが大切です」と加える。
翌日、職場で生き生きと働く草刈のシーンと、それをみる瀬戸の表情のアップで、この回は終わる。
舞台も堂々と
遅咲きの女優の今後が楽しみ
草刈のミュージカルのデビュー作である、「9時から5時まで」を東京の銀河劇場で観たのは、今春のことである。宝塚出身の紫吹淳を相手役に回して、子持ちの未亡人のバイオレット役を歌と踊りで堂々とこなしていた。
バレリーナ引退の舞台で全国を回った直後、新劇の舞台にデビューしたのは2009年のことである。
遅咲きの女優である、草刈民代はどこに行こうとしているのであろうか。楽しみである。(敬称略)
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