2022年12月5日(月)

Washington Files

2021年3月29日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

50対50の「1議員」として一躍脚光を浴び始めた

 しかし、昨年大統領選と同時に行われた上院選の結果、民主党が4議席増やし共和党と同数の50人となり、法案審議で両党同数の場合でも、ハリス副大統領が1票を投じることで過半数可決のめどは立ったものの、逆に議員のうち1人でも造反すればいかなる法案も成立が困難になるという、バイデン政権にとって“綱渡り”の状況が現出した。

 そのまさに「1議員」として一躍脚光を浴び始めたのが、マンチン議員にほかならない。

 とくに同議員の動向が決定的ともいえるインパクトを及ぼしたのが、バイデン大統領が最優先に掲げてきた1兆9000億ドル(約206兆円)規模の大がかりなコロナ関連追加経済対策「米国救済計画法」法案の行方だった。同法案をめぐっては去る5日の午前から丸1日以上、野党共和党議員から次々に提出された修正案の夜通しマラソン審議を経て、ようやく6日午前、50対49で上院を通過した。もし、マンチン議員が反対票を投じていた場合、法案成立はピンチに立たされ、今後の政局運営にも暗雲を投げかけるところだった。

 バイデン政権にとって、大規模な「米国救済計画法」はコロナ禍で沈滞した経済を早期に立て直すと同時に、この春にかけて展開する大掛かりなインフラ整備および製造業再建関連法案成立に向けた最優先課題と位置付けていただけに、待望の「第一ラウンドの大勝利」(シューマー民主党上院院内総務)となった。

 逆に言えば、もし、マンチン議員が反対票を投じていた場合、国民生活に大きな影響を与える1兆9000億ドルという空前規模の大事業がとん挫していた可能性があった。

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