代議士による抗議に、黒木の放った一言は
入間と坂間は、真弓の自宅を訪れて「所在尋問」をする。これも法定の証言となる。真弓の口から明らかにされたのは、洋一郎が自殺した、と偽証をするように代議士の江波(勝村)から強要された、というのである。江波は、真弓が務めている工場と懇意にしているので、取引を止めさせてもいい、さらには、真弓に大手企業の仕事の世話をしようといったのである。
そして、踏切に入って、電車に音に気づかなかった、娘の奈々(古川凛)を救ったのは、洋一郎だったと告白した。花を手向けていた少女である。
「命の恩人だったのに、その息子さんが苦しんでいるのに、そして娘が苦しんでいるのに……」と、真弓は涙ぐんだ。
第3回公判で、真弓の「所在尋問」の内容が明らかになる。
証人として呼ばれていた、代議士の江波は傍聴席からわめきちらす。
「事実無根だ。問題のある裁判長がとった証言など意味がない」
坂間が立ち上がって、叫ぶ。
「嘘をついているのは、そっちでしょうが。恥を知りなさい!」
被告の誠に対する、合議による判決は「1年半の実刑かつ執行猶予付」で結審した。
「法曹一体化」の原則から、弁護士から裁判官に登用されることがあるが、その例は極めて少ない。入間(竹野内)はなぜ、このような道を選んだのか。このドラマの最終回にかけてのサスペンスである。
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