オトナの教養 週末の一冊

2021年4月27日

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国軍解体、革命を目指す人々

 「でも、デモ隊の女性や子どもにまで銃を向け発砲するなど、弾圧がひどすぎませんか?」

 「ひどいです。でも、なぜそこまでやるのか? 抗議活動の中核グループが革命、つまり国家変革を目指しているからです」

 春日さんは、民主派による「国民統一政府」(NLD議員有志らが立ち上げたCRPH〈連邦議会代表委員会〉が16日発足させた)の中心人物の一人、ササの名前を挙げた。CRPHの交渉役でチン族の医師だ。

 「少数民族出身の彼は、国軍を解体して連邦軍を作ろうと呼びかけている。そのためなら武装闘争も辞さない。デモに参加する貧困層は1人1万チャット(約700円)とか報酬を支払う。過激派イスラム教徒のジハード(聖戦)と同じ手法です。この方向性はとても危うい。武力による革命ですからね」

 チン族、カチン族など地方の武装組織はイギリスの統治時代の「負の遺産」と言える。大英帝国流分割統治によって多数派ビルマ族を支配する側に回り、独立後はその復権を目指す。

 「国民統一政府」の革命色がより鮮明になれば、国軍は今以上に苛烈な撲滅作戦を取る可能性がある。

 「スーチー氏は武力革命には賛成なんですか?」

 「彼女は関わっていないはず。ガンジーを信奉する非暴力主義者ですからね」

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