2022年11月30日(水)

Washington Files

2021年5月28日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

初めから「意図」した犯罪行為

 一方、ニューヨーク地検の事情に詳しい元関係者たちも、今回の特別大陪審開始の意味について、それぞれ興味あるコメントを出している。

 プリースト・バハラ元検事はCNNテレビに対し「これは特記すべき展開だ。担当検事たちは特定の人物の間違った行いの『意図』について、ある程度の心証を得たに違いない。すなわち、うっかり犯した過ちとか怠慢行為ではなく、初めから『意図』した犯罪行為であることを確信した上での捜査に乗り出したことを意味している」と語った。

 また、レベッカ・ロルフィー前次席検事はワシントン・ポスト紙に対し「ニューヨーク地検が今回、トランプ氏個人およびトランプ・オーガニゼーション幹部が罪を犯したとの確信なしに、特別大陪審の審理に踏み切ったとは考えにくい。担当検事たちは、十分罪を問うことができると確信していると思われる」と語っている。

 政治メディア「Politico」によると、特別大陪審で検察側は、立件に必要な証拠物件、書類の提示のみならず、疑惑関連人物を証人として出頭させ、陪審員たちを前に検察側に有利な証言を引き出せることから、審理終了時点で「起訴」の公算も高まるという。

 トランプ氏は最近、米議会の共和党幹部とひんぱんに連絡を取り合っており、来年11月の中間選挙における主導権奪回、さらには2024年大統領選での復活の可能性などについて秘策を協議中と伝えられる。しかし、それ以前に、もし、トランプ氏本人またはファミリー関係者が起訴された場合、すべてが「水泡と化す」可能性が残されている。

  
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