2024年11月29日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年10月30日

 2013年の4年ごとの防衛見直し(QDR)に向け、ペンタゴンは戦略概念とその名前を必要とする。エアー・シー・オペレーションがそのために適切である、と述べています。

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 この論説は、エアー・シー・バトルという名前をエアー・シー・オペレーションに変えるべし、という提言です。アジアでは表現が重要というのは、「エアー・シー・バトルというのは戦闘的に過ぎる」との指摘を中国で多く受けた、ということでしょう。しかし、日本で表現を問題視する意見は、あまり聞いたことがありません。名前の問題は本質論とは思えませんが、もちろんオハンロンの意見を採用しても問題はありません。

 名前の問題以上に、何をやるか、それを全面戦争にエスカレーションさせないためにはどういう方策があるのかが重要な問題です。そういう観点からは、中国本土の対艦弾道ミサイル基地を叩くタイミングの問題について、先制攻撃はすべきではなく、紛争の初期段階にも本土攻撃はすべきではないというオハンロン意見は、一つの考え方です。ただ、そういうことを明言して中国を抑止しうるのかとの疑問もあります。エスカレーションを避ける間接的で非対称な対処ができればよいのですが、論説には具体的に書いていないので、そういう方策があるのかどうか、よく分かりません。ただ、陸軍や海兵隊をこの構想に絡ませるというのは有益なことでしょう。

 同盟国への領土への攻撃を相手国の領土への攻撃の引き金とする、艦船に対する攻撃には艦船に対する攻撃にとどめるなど、色々なことを決め、それをどう中国に通知しておくかなど、まだ詰めるべき点が多く残っています。現在、ペンタゴンでは種々の議論をしているものと思われます。

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