2022年12月8日(木)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年6月6日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

サイバー攻撃の「負の波及効果」

 米石油パイプライン企業コロニアル・パイプラインが5月、ロシアのハッカー集団「ダークサイド(DarkSide)」によるランサムウエア(身代金要求型ウイルス)を使用したサイバー攻撃に遭い、業務停止を余儀なくされました。

 その結果、米国内では一部のガソリンスタンドが営業できなくなり、ガソリンが不足して高騰し、社会に混乱が生じました。この件に関して、バイデン氏は「ロシア政府の関与の証拠はないが、何らかの責任はある」と述べました。

 さらに、ブラジルの世界最大手の食肉加工メーカーJBSの米国、カナダ及びオーストラリアの食肉処理工場が5月31日、サイバー攻撃を受けてラインが停止に追い込まれました。米連邦捜査局(FBI)は、ロシアのハッカー集団「リービル(REvil)と「ソディノキビ(Sodinokibi)」による犯行と断定しました。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は6月2日の定例記者会見で、選択肢の一つに報復があることを明かしました。

 国民生活と直結しているガソリン価格の高騰が続く中、バイデン氏の支持率が下がりました。ロイター通信とグルーバル・マーケティング・リサーチ会社イプソスの共同世論調査(21年5月26~27日実施)によれば、バイデン氏の支持率は52%で、前回の同調査(同月19~20日実施)と比較すると、4ポイント低下しました。一方不支持率は44%で、逆に5ポイント上昇しました。

 ロシアのハッカー集団の目的は身代金の獲得ですが、彼等が仕掛けたサイバー攻撃は、米国社会に混乱を招き、バイデン氏の支持率を低下させ、「負の波及効果」をもたらしました。

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