臨済宗の中興の祖で江戸中期の禅僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)。禅宗の世界では“500年に1人”の傑出した僧といわれる白隠の禅画を集めた展覧会が開かれる。
白隠は、84年にわたる生涯で、諸国を巡りながら1万点を超える大量の書画を描いたという。今回の展示では、各地の寺院や個人所蔵の禅画から、大作を中心に約100点を厳選した、初めての本格的な白隠展となる。
民衆教化の手段として描かれた白隠禅画の多くは、絵と言葉を組み合わせた画賛形式で構成されており、釈迦や菩薩をはじめ、布袋、お多福など、多彩なキャラクターにあふれている。中でも最も多く描かれたのが、禅宗の開祖である達磨大師。会場では、通称“朱達磨”と呼ばれる縦約2メートル近い大作で、80歳を過ぎての最晩年の作「半身達磨」が、関東で初公開される。
このほか、寺社に代参する“すたすた坊主”や、すり鉢に鬼を入れみそ造りに励む鍾馗(しょうき)なども登場。200余年を経た今でも親しみやすくユーモラスな絵に託された、白隠のメッセージを読み解いてみたい。
白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ
<開催日>2012年12月22日~2013年2月24日 *2013年1月1日を除く
<会場>東京都渋谷区・Bunkamuraザ・ミュージアム(山手線渋谷駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
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