日本には158万9932の病床がある(厚労省「医療施設動態調査(令和2年5月末概数)」)。うち3万8795床をコロナ用の病床に確保したが、21年8月時点で、そこに入院しているコロナ感染者は2万4247人にすぎない(厚労省「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査結果(21年8月25日)」)。ところが、21年8月時点で、コロナ感染者のうち23万人程度が入院治療を要する患者であった(厚労省「新型コロナウイルス感染症について」オープンデータ)。
つまり、政府は普段から過大な病床を維持していたのに、必要とする患者の10分の1の病床も用意できなかった。これは過去数十年間にわたって、政府が病床維持にお金を使い続けてきたが無駄だったということである。
「バラマキいけない」の大合唱は思考停止を呼ぶ
バラマキはいけないという議論は、むしろ思考停止をもたらす。政府がバラマキよりも賢く使えているかをまずはチェックすべきだ。使えていないなら、減税で還付すべきだし、減税が金持ち優遇になるのなら、いっそのこと一律金額でのバラマキで還付したほうが良いのではないか。