#財政危機と闘います

2021年11月11日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所研究部長

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。2015年4月から現職。

 ドラえもんの秘密道具の一つに、「未来小切手帳」がある。

 今日発売の漫画雑誌『少年ヨンデー』がどうしても読みたいが、手元にお金がないのび太は、明日のお小遣いの前借をママから拒否される。困ったのび太はドラえもんから未来小切手帳を渡される。

 この小切手帳に必要な金額を書いて、サインすれば、なんでも買えるとのこと。しかし、ドラえもんからのび太は小切手で買うのは漫画雑誌だけにしておくよう忠告される。はじめは半信半疑だったのび太も、実際に小切手が使えることを知って、高価なプラモデルや友人にお小遣いを渡したりするなどして無駄に小切手を切ってしまう。

 次の日、ママから今月分のお小遣いが入ったはずの封筒を受け取ったのび太だったが、封筒の中にはお小遣いが入ってなかった。その後も、おじさんがやってきてお小遣いをくれたはずなのに、そこにはお小遣いはなかった。

 ドラえもんが種明かしをするには、小切手で使ったお金は、使った本人が将来手に入れるお金から差し引かれるとのことであり、小切手を使った金額から計算すると、サラリーマンになったのび太が43歳の夏のボーナスまで1円も手に入らないのだった。

 ドラえもんに「品物返して、小切手取り返してこい!!」と怒鳴られつつのび太は今日手に入れたものを全部持ちながら、「うまい話ってないもんだなあ」とぼやくのだった。

(Nuthawut Somsuk/gettyimages)

衆院選は国民の良識の勝利

 10月31日に投開票された第49回衆議院議員総選挙を財政の面から総括すると、衆院選という政権選択選挙において、消費税の現状維持勢力が政権の座を守り、消費税減税・廃止を主張した勢力が政権の座を奪えず敗北したのだから、消費税を政争の具とすることに反対する国民の良識の勝利だったと言える。

 一方、選挙目当てのバラマキと批判された一時的な給付金の支給に関しては、与野党問わず大なり小なり公約に入れていたので、「バラマキにNo!」の意思表示を示す選択肢は存在しなかった。

 ただし、自民党案では、非正規雇用者・女性・子育て世帯・学生など、新型コロナウイルスで困っている困窮者への経済的支援に重点が置かれていたのに対し、公明党案では、「未来応援給付」として、18歳以下に一律10万円(所得制限なし)を給付したいとしていた。

 このように、現金給付策については、自民党と公明党ではスタンスが異なり、特に18歳以下への現金給付策に所得制限を設けるか否かを巡り対立が続いていたが、与党間でのすり合わせの結果、年収960万円の所得制限を設けることで合意された。

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