2022年12月4日(日)

From LA

2022年1月17日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

「アップルカー」の存在はいかに? 

 

―― 完全自動運転で従来の車のコンセプトを覆す、というとアップルカーの到来を考えずにいられないが、アップルカーはフィスカーにとってライバルになると思うか。

 アップルカーについて多くの人が噂をしているが、実際に車を作って市場に持ち込まない限り、評価することは出来ない。毎年のように多くのスタートアップが「これまでにない素晴らしいEVを作る」と発表しているが、実物を見せてくれ、と言いたい。

 自動車業界はそれほど参入が易しいものではない。コンセプトを作るのは簡単だ。しかしそれを大量生産し、かつ手頃な価格で消費者に届けることは極めて困難なのだ。また、人々の購入意欲をそそるには車のデザインも重要だ。広々としてキャンプにも使える、と謳われていた車が全く売れなかったことがあるが、それはデザインがあまりにもダサかったからだ。

 私は特定のメーカーをライバルとして名指しすることはしない。自動車業界は巨大で、地域ごとの特性などもある。例えば日本には国内でしか流通していない軽自動車があるし、米国では巨大なピックアップトラックが売れる、というように。

 フィスカーにはフィスカーの車を好む顧客が付くだろうし、他のメーカーにも一定の需要が存在するだろう。EV時代になっても特定のメーカーが市場を寡占することはないだろう、と思っている。

―― あなたは一度EV業界に乗り出し失敗したわけだが、なぜカムバックを果たすことができたと考えているか。

 失敗したとは思っていないが、結果として会社をなくしたことは事実だ。しかし失敗すれば人はそこから学ぶことが出来る。リングでノックアウトされた時、ある人はそのままうずくまって立ち上がれないかもしれないが、再び立ち上がって戦う人もいる。立ち上がる人は負けたことを教訓とし、次は負けないように作戦を立てるのだ。

 私が「フィスカー2.0」のプランを立てた時、まず投資家のところへ行き、前回の失敗で何を学び、次は同じ過ちを侵さないために何をするかについて説明した。そして投資家もそれを受け入れてくれた。EVスタートアップの中で実際の発売時期の遅延を発表していないのはフィスカーだけだ。毎年多くのEVスタートアップが生まれては消えていくが、フィスカーが同じ轍を踏むことはない。

 現在オーシャンには3500台の予約が入り、年間の生産台数は2万5000台程度に増やすことが出来る。それが実現できれば13億ドル以上の売上が視野に入る。我々は予想したよりも順調にビジネスを進めている。

  
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