2022年12月5日(月)

バイデンのアメリカ

2022年1月24日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 とくに12年5月、プーチン大統領がワシントン近郊のキャンプデービッドで行われた主要8カ国(G8)サミットをすっぽかし、同時期に行われた北京における「上海協力機構」会議と中露首脳会談への出席を選択、ロシアの対中国重視姿勢が明確に打ち出されると、これに応えるかたちで翌13年3月には、国家主席に就任したばかりの習近平氏が最初の訪問国としてロシアを訪れ、プーチン大統領との初首脳会談に臨んだことは象徴的出来事だった。

 それ以来、両国首脳会談の回数が、じつに30回以上にも達していること自体、2人の異常接近ぶりを示すものだろう。

まずは目下のウクライナ情勢に注視を

 目下のところ、ロシアのウクライナ侵攻については切迫感を増す一方、中国は来月の北京における冬季オリンピック開催、今秋、5年に1度の共産党大会など重要行事を控えていることから、台湾侵攻にただちに踏み切る可能性は少ないとする見方が有力だ。

 しかし、米側の度重なる事前警告にもかかわらず、ロシアがまずウクライナ侵攻を強行し、14年のクリミア併合時と同様、そのまま占領を既成事実化していくのを米欧諸国が座視するほかなくなった場合、結果的に中国人民解放軍に自信を持たせ、台湾海峡において危険な行動に駆り立てる事態も皆無とは言えない。

 従って、「ウクライナ」と「台湾」は明確にリンクしたものだ。

 それだけにバイデン政権としても、まず直面するウクライナ危機の沈静化に向けていかに動くか、まさに外交力の真価が問われている。

  
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