2024年4月26日(金)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年4月2日

スキルの継承と更新を

 だが、勝機はある。企業情報システムはこの20年で、国内におけるIT投資の減少により後塵を拝することとなったが、日本企業の社内研修制度など「会社が人材を育てる文化」は健在だ。これは個人でのスキル習得が中心の欧米にはない日本企業の良さであり「仕組み」だ。

 今後はこの仕組みを生かして、デジタル技術の学習や最新プログラム言語の習得といった日本のIT技術者のスキルチェンジ(リスキリング)と、ベンダー企業からユーザー企業への人材シフト(ユーザーシフト)を大規模に実施すべきだろう。その点においても、レガシーシステムの刷新は、当時の技術を継承するとともに、知識技能のアップデートと人材配置の適正化を促すための〝好材料〟にもなりうる。

 トップの旗振りで、社員一丸となって新たな方向へ動けるのが日本企業の強みだ。経営者は目先の実績作りにとらわれず、本質的な課題に向き合うべき時期にある。

 
 『Wedge』2022年4月号で「デジタル時代に人を生かす 日本型人事の再構築」を特集しております。
 日本型雇用の終焉──。「終身雇用」や「年功序列」が少子高齢化で揺らぎ、働き方改革やコロナ禍でのテレワーク浸透が雇用環境の変化に拍車をかける。わが国の雇用形態はどこに向かうべきか。答えは「人」を生かす人事制度の先にある。安易に〝欧米式〟に飛びつくことなく、われわれ自身の手で日本の新たな人材戦略を描こう。
 特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。
 

   
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

Wedge 2022年4月号より
日本型人事の再構築
日本型人事の再構築

日本型雇用の終焉─。「終身雇用」や「年功序列」が少子高齢化で揺らぎ、働き方改革やコロナ禍でのテレワーク浸透が雇用環境の変化に拍車をかける。わが国の雇用形態はどこに向かうべきか。答えは「人」を生かす人事制度の先にある。安易に“欧米式”に飛びつくことなく、われわれ自身の手で日本の新たな人材戦略を描こう。


新着記事

»もっと見る