2024年7月20日(土)

Wedge REPORT

2013年3月21日

 半ば国有化された東京電力が今後どうなるにしても、首都圏関東圏の安定的な電力供給に責任を担う主体は必要だ。いずれ、健全な電力事業を担う「グッド東電」と福島事故に係る賠償・廃炉を担う「バッド東電」の分離を行わざるを得ないだろう。もちろん「バッド東電」を引き受けるのは国しかない。今後、新安全基準等により、国と電力会社が従来計画していない原発の停止や廃炉が発生するから、福島第一原発とこのような計画外停止炉を管理する国家管理会社を新たに設立する必要も出てくるはずだ。

あるべき再編イメージ

(出所)筆者作成
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 以上の内容をまとめて図示すると右図のようになる。電力会社の大合併と原発の国家管理会社を組み合わせた2つめの図が、本来検討すべき電力再編イメージである。

 具体的に3社に集約すべきなのか、あるいは4社なのかといったところはまだわからないが、国は電気事業法体系の中に電力会社を大規模化していく絵図面を描き、電力各社が自主的に合併しやすい状況を作り出すことを目指すべきだ。

 第一歩目は当然、東京電力が焦点となる。東京電力は世界有数の需要家数を抱える巨大電力会社だから、そのまま隣接する東北電力あるいは中部電力と合併するというのは、ガバナンス上無理があるだろう。「グッド東電」を2社程度に分割し、隣接電力会社と合併するというステップから電力会社の大合併ステージを始めていけばよい。

 さらに将来を見渡すと、諸外国にあるように、ガス会社と電力会社の大合併も当然視野に入ってくる。200社以上もあるガス会社を統合し、ガス&パワー型のグローバルスタンダードの企業体が出現しない限り、日本のエネルギー問題は根本的には解決しない。

 以上のような再編イメージは、福島第一原発事故対応、原子力改革、エネルギーの低廉安定供給という3つの課題を一気に解決する一石三鳥の政策案であると確信している。自由競争信奉だけにとらわれた電力システム改革は将来に大きな禍根を残すだろう。

◆WEDGE2013年4月号より

 

 

 

 

 

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