2022年12月6日(火)

ザ・ジャパニーズ3.0(昭和、平成、令和) ~今の日本人に必要なアップデート~

2022年5月11日

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桂木麻也 (かつらぎ・まや)

インベストメントバンカー

カリフォルニア大学卒業・内外の投資銀行に20年超の勤務経験を有する。クロスボーダーのM&Aに造詣が深い。著書に『ASEAN企業地図』(翔泳社)、『「選択肢」を持って「人生を経営」する』(ウェッジ)。

誰もがリスクをとらない日本

 さてリターンとリスクの話である。一般的には、高いリターンを期待するなら大きなリスクを取らなくてはいけないし、リスクを取りたくないならリターンは小さくなる。リターンとリスクの関係は右上がりの順相関というのが定説である。ところで大きなリスクを取ってもリターンが小さい、もしくはゼロやマイナスのリターンであったらどうであろうか。誰もそのようなリスクなど取りはしない。それが顕在化したのが過去30年間の日本の株価なのである。

出典:au株コム証券 日本株と米国株~過去30年の株価の推移~ https://kabu.com/sp/item/foreign_stock/us_stock/column/5.html 写真を拡大

 上のグラフは、auカブコム証券が作成したもので、日経平均と米国ダウの株価を1991年11月の終値を100として指数化し、2021年11月26日終値まで表示したものである。見ての通りNYダウは30年で約12倍も成長しており、日本株のパフォーマンスを大きく上回る。日本株の30年間の利回りは年率換算で0.88%。銀行預金よりは確かに高い。

 しかし2001年頃から100を下回るような時期もあり、そのようなリスクまで取って30年間の出来上がりが0.88%というのはナンセンスだ。「失われた30年」というのは、リスクテイクがリターンを産まなかったということを意味し、それを恐れてリスク資産に回るべき資金はずっと現預金のまま保有され続けているのである。

 リターンを産まないリスクを取る人はいない。チャレンジしても報われない社会では、誰もチャレンジしなくなり、そんな社会からは活力がなくなり衰退しか道はなくなる。スタートアップ企業の数が増えない、中小企業の後継者が見つからない、子供の数が増えない。これらは全て、リターンとリスクが見合わないと多くの人が考えていることから生じる同根の問題であると私は考える。その上で、リターンとは何か、それを日本に発生させるためにどうしたらよいかを次回で考えてみたい。

 To Be Continuedである。

  
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