2024年4月26日(金)

2024年米大統領選挙への道

2022年6月17日

焦点はイバンカ

 では「イバンカの乱」はどのような意味を持つのか。

 第1に、前述の通り20年米大統領選挙における選挙不正について、トランプファミリーが一枚岩でなくなったことである。トランプ氏は即座に、イバンカ氏が選挙結果の調査に関与していないという声明を出して火消しに走った。

 第2に、「イバンカ氏対ジュニア氏」の対立構図を生む可能性がある。イバンカ氏は熱狂的なトランプ支持者の支持を失うかもしれない。彼らはこれまでもドナルド・トランプ・ジュニア氏をトランプ氏の後継者としてみてきたが、今後ジュニア氏支持を一層強めていくだろう。

 第3に、下院特別調査委員会はイバンカ氏に焦点を当てるだろう。同委員会はイバンカ・クシュナー両氏に対してヒアリング調査を数時間実施して証言を得ている。今後どのようなタイミングでイバンカ氏の証言を紹介するのかが注目である。

「トランプ起訴」の判断材料

 下院特別調査委員会はトランプ前大統領が連邦議会議事堂乱入事件の計画を事前に知っていたのか、仮に知っていたならいつ知ったのか、誰から知ったのか、計画に「GOサイン」を出したのかについて調査を進めていくだろう。

 トランプ前大統領の乱入事件関与の確固たる証拠が得られれば、米司法省は起訴に踏み切る可能性がある。メリック・ガーランド司法長官は「すべての公開公聴会を観る。検察官も観ている」と語った。公聴会での証言は、民間人となったトランプ氏起訴の判断材料になっていることは確かだ。

   
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