2022年8月12日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年6月21日

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 中国は未だテストされていない不安定な核兵器国であり、リスクを孕んでいる。米中戦略対話が一層不可欠な所以である。中国には、核を保有した以上、成熟した責任ある核保有国になって貰わないと困る。

 台湾侵攻など国策遂行の手段に核を使うべきでない。自国防衛の抑止力に厳しく限定されるべきだ。核は基本的にパッシブ(受動的)なものであるべきだ。更に先制不使用を宣言している等の言い訳を止め、早期に国際軍備管理の対象にすべきだ。

 核使用の脅迫は、今プーチンがウクライナでやっていることだ。中国はウクライナを注視しているだろう。バイデンが、5月31日のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿(「米国がウクライナですることとしないこと」)の中で、「明確に述べておきたい。ウクライナの紛争で核兵器を使用することは如何なるものであれ米国と世界にとり全く受け入れられず、厳しい結末を惹起するだろう」と警告するのは当然である。

米国でも高まる核の問題への意識

 ウクライナでの核の問題は、米国の最優先課題になっているはずであり、仮にそれが使われた場合の米国の対応についても検討しているであろう。なお、英国のシンクタンクIISS(国際戦略問題研究所)のアルバーク他は、ウクライナで考えられるシナリオとして、

① 人口の少ない地域や黒海でデモ効果のために小規模核を爆発させる
② 戦場核を使用する
③ オデーサやリビウ等高価値目標に核を使用する

という三つを挙げている(3月31日付ワシントン・ポスト紙)。

 5月24日、バイデンは東京で、中国が台湾に侵攻すれば米国は軍事介入すると発言した。失言説、曖昧政策変更説等の解釈があるが、米国が曖昧政策は維持しつつ、軍事関与を明確にしたことは賢明だったと思う。

  
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