2022年9月26日(月)

From LA

2022年7月8日

»著者プロフィール
閉じる

土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

家庭用のガス供給も禁止するカリフォルニア

 水素導入に関して最も積極的な姿勢を見せているのはカリフォルニア州だ。同州では2035年から州内でのガソリン車販売を禁止する法案を模索している他、家庭用のガス供給を禁止する方針を次々に打ち出している。

 例えばロサンゼルス市は今年5月、市議会で「新たに建設される住宅や商業用ビルにガス配管を行わない」条例を賛成多数で可決させた。同時に今後ガスを利用する家電(調理用レンジ、衣類ドライヤー、ヒーターその他)の販売を禁止していく方針だ。実は同様の条例を持つ自治体は同州内で50を超えている(ただしガス利用に依存するレストランなどに対しては継続的にガス使用が認められる)。

 ロサンゼルス市で今年建設された低所得者用アパートメントはその好例とも言える。5階建て50室の建物にはガス配管がなく、屋上にはソーラーパネルが設置されている。オール電化なのだが、こうした建物にはオプションとして「グリーン水素による熱源を認める」方針が示されている。

 ただし、現時点では水素をガスの代わりに使用する、というのはまだ現実的ではない。天然ガスのパイプラインに最大で20%の水素を混入させる方法は確立されているものの、コストや設備面から一般への普及はまだ10年20年先になる、と予測されているのだ。

 しかし天然ガスを廃止する、という方針に最も影響を受けるガス会社が積極的に水素利用に取り組んでいる。北カリフォルニアのPG&Eは家庭への水素供給実験を独自に行っており、南カリフォルニアのSoCalGasは今年10月頃に水素エネルギーを熱源とするモデルハウスを建設し、実証実験を行う予定だ。

新着記事

»もっと見る