2022年12月3日(土)

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2022年7月8日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 米国のガソリン高が止まらない。6月14日には過去最高となる全米平均で1ガロンあたり5.016ドルを記録したが、最も高いカリフォルニア州では6ドルを超える価格が続いている。この影響もあり、電気自動車(EV)の売上が伸びている。カリフォルニア州では今年1−3月期、最も販売台数が高かったのがテスラモデルYとモデル3であり、プラグインハイブリッドを合わせたEV全体の販売台数が全体の17%を超えた。

 そこで問題となるのが電力の安定供給だ。Statista社の調査によると、全米の電力供給能力は2020年に年間で1062.6GWだったが、2050年には1681.5GWまで増加する見込みだという。

 現在の電力源は天然ガスが40%と最も多く、次いで再エネ21%、原子力20%、石炭19%となっている。しかし、米国政府が掲げる「2030年までに温室効果ガスを50−52%削減し、2050年にはゼロにする」という目標達成のためには、今後石炭は言うまでもなく天然ガスによる発電も大幅に削減していく必要がある。

注目が高まる水素

SF市内を走る燃料電池バス(著者撮影、以下同)
 

 そこで注目が集まっているのが水素の存在だ。水素は水を電解分離することで得られるエネルギー源で、無尽蔵の資源とも言える。また再エネコストが下がり、今や最安値電力となっている米国だけに、ソーラーや風力で得られた電力を水素に変換することで無駄なく貯蔵、利用できる。

 さらに水素はメタンに変換することで再生可能天然ガスとして利用できる、という点でも評価が高い。液体、気体の双方で貯蔵や輸送が可能、さらに燃料電池という形で蓄え非常電力源や交通に利用される。

 水素の採取方法もさまざまなものがある。グリーン水素と呼ばれるのがソーラーなどの電力による電解だが、ブルー水素と呼ばれる褐炭から抽出方法もある。さらに現在では廃棄物を圧縮する際に出る水蒸気から水素を生成する、という方法を進めている企業もあり、グリーンからブルーまで、20種類以上の採取法が実験的に進められている。

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