5月に米国が提案し日本も賛同したインド・太平洋経済枠組み(IPEF)は、今後の新しい経済での重要な分野をカバーしていく意欲はいいが、関税の引き下げなど伝統的な貿易協定の内容をきちんと含んでいない。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国などは何よりも米の市場へのアクセスが重要であると考えるだろうから、彼らにとりどれほど魅力的であるのか、若干疑問に思われる。
バイデンは腹をくくれるのか
上記社説は、バイデン政権は経済成長をもたらす政策よりも政治を重視している、とも指摘する。その通りであろう。
政治というが、結局は選挙において有利になるか否かを気にしていて、労働組合の票などを減らしたくないということであろう。ただ、有権者の利害というものはもともとバラバラであり、そういうバラバラなものを参照ポイントにして政策を決めようとしてもうまくいかないだろう。
パイを大きくする経済成長を達成し、その成果をより公平に分配し、格差を減らすなどにポイントを絞って、それを基準に政策を作り実施していくことが正しく、それが結局国民の支持の増大にもつながるのだろうと思われる。個々の利益よりも全体の利益を考えていくことが国の統一にも資するように思われる。
バイデン政権に2期目があるか否かわからないが、政治家には右顧左眄(うこさべん)することなく、腹をくくってやることはやる姿勢も重要であるように思われる。